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Apache モジュール mod_authz_host

説明: ホスト (名前もしくは IP アドレス) に基づいたグループ承認
ステータス: Base
モジュール識別子: authz_host_module
ソースファイル: mod_authz_host.c
互換性: Apache 2.0.44 以降

概要

mod_authz_host により提供されるディレクティブは サーバの特定の部分への アクセスを制御するために <Directory>, <Files>, <Location>.htaccess ファイルで使用されます。クライアントのホスト名、IP アドレスや 環境変数として取得された、その他のリクエストの特徴に基づいて アクセス制御を行なうことができます。AllowDeny ディレクティブは どのようなクライアントにアクセスを 許可する、しないかを指定するために使用されます。一方、 Order ディレクティブは デフォルトのアクセス状態と、 Allow ディレクティブと Deny ディレクティブとのお互いへの影響の仕方を設定します。

ホストによるアクセス制限とパスワードによる認証を同時に 行なうことが可能です。その場合、その二つの制限の関係を指定するために Satisfy ディレクティブを使用します。

一般的には、アクセス制限ディレクティブはすべてのアクセスメソッド (GET, PUT, POST など) に適用されます。そして、ほとんどの場合これが望ましい動作です。 しかし、<Limit> セクションの中にディレクティブを書くことで、 一部のメソッドにのみ制限をかけることもできます。

ディレクティブ

参照

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Allow ディレクティブ

説明: サーバのある領域にアクセスできるホストを制御する
構文: Allow from all|host|env=env-variable [host|env=env-variable] ...
コンテキスト: ディレクトリ, .htaccess
上書き: Limit
ステータス: Base
モジュール: mod_authz_host

Allow ディレクティブはどのホストが サーバのある領域をアクセスできるかに影響を与えます。 アクセスはホスト名、IP アドレス、IP アドレスの範囲や、 環境変数として取得された、その他のクライアントのリクエストの 特徴によって制御することができます。

このディレクティブの最初の引数は常に from です。 それに続く引数は三つの違った形式があります。Allow from all が指定されていれば、すべてのホストにアクセスを許可し、 アクセス制限は下で説明されているように、 Deny ディレクティブと Order ディレクティブの設定で決まります。 特定のホストやホスト群にのみサーバへのアクセスを許可するためには、 以下のどれかの形式で host を指定することができます:

ドメイン名 (の一部)
例: Allow from apache.org
この文字列に合うか、これで終わる名前のホストのアクセスが許可されます。 各部分が完全に合うものだけに適用されますので、上の例は foo.apache.org にはマッチしますが、 fooapache.org にはマッチしません。 この設定をすると、サーバは HostnameLookups の設定に関わらず、クライアントの IP アドレスに対して DNS の逆引きを行ないます。
完全な IP アドレス
例: Allow from 10.1.2.3
アクセスを許可する IP アドレスです。
IP アドレスの一部
例: Allow from 10.1
サブネットの制限用の、IP アドレスの最初の一つから三つまでのバイトです。
ネットワーク/ネットマスク の対
例: Allow from 10.1.0.0/255.255.0.0
ネットワーク a.b.c.d とネットマスク w.x.y.z です。 より細粒度のサブネット制限用です。
ネットワーク/nnn CIDR 指定
例: Allow from 10.1.0.0/16
ネットマスクが nnn の上位ビットが 1 となっているものからなること以外は前のものと同じです。

注: 最後の三つの例はまったく同じホストに合います。

IPv6 アドレスと IPv6 のサブネットは以下のように指定できます:

Allow from fe80::a00:20ff:fea7:ccea
Allow from fe80::a00:20ff:fea7:ccea/10

Allow ディレクティブの引数の三つ目の形式は、 環境変数 の存在によりアクセスの制御を行なえるようにするものです。 Allow from env=variablename が指定されていると、環境変数 variablename が存在した場合にリクエストはアクセスを許可されます。サーバは mod_setenvif のディレクティブにより、クライアントのリクエスト の特徴に基づいて柔軟に環境変数を設定する機能を提供します。 ですから、このディレクティブはクライアントの User-Agent (ブラウザの種類)、Referer や他の HTTP リクエストのヘッダフィールドなどに基づいて アクセス許可をするために使うことができます。

例:

SetEnvIf User-Agent ^KnockKnock/2.0 let_me_in
<Directory /docroot>
   Order Deny,Allow
   Deny from all
   Allow from env=let_me_in
</Directory>

この場合、user-agent の文字列が KnockKnock/2.0 で始まるブラウザのみがアクセスを許可され、 他のものはアクセスを拒否されます。

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Deny ディレクティブ

説明: サーバがアクセスを拒否するホストを制御する
構文: Deny from all|host|env=env-variable [host|env=env-variable] ...
コンテキスト: ディレクトリ, .htaccess
上書き: Limit
ステータス: Base
モジュール: mod_authz_host

このディレクティブはホスト名、IP アドレス、環境変数に基づいてサーバへのアクセスを制限します。 Deny ディレクティブの引数は Allow ディレクティブとまったく同じです。

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Order ディレクティブ

説明: デフォルトのアクセス可能な状態と、Allow と Deny が評価される順番を制御する
構文: Order ordering
デフォルト: Order Deny,Allow
コンテキスト: ディレクトリ, .htaccess
上書き: Limit
ステータス: Base
モジュール: mod_authz_host

Order ディレクティブはデフォルトのアクセスの状態と Allow ディレクティブと Deny ディレクティブが評価される順番を制御します。 Ordering は以下のどれかです。

Deny,Allow
Deny ディレクティブが Allow ディレクティブの前に評価されます。 アクセスはデフォルトで許可されます。Deny ディレクティブに合わないか、Allow ディレクティブに合うクライアントはアクセスを許可されます。
Allow,Deny
Allow ディレクティブが Deny ディレクティブの前に評価されます。 アクセスはデフォルトで拒否されます。Allow ディレクティブに合わないか、Deny ディレクティブに合うクライアントはアクセスを拒否されます。
Mutual-failure
Allow のリストに現れて、 Deny のリストに現れないホストのみがアクセスを許可されます。 この順番付けは Order Allow,Deny と同じ効果を持ち、 その設定の方が好ましいために非推奨となっています。

キーワードはコンマで分離することだけが可能です。 間に空白があってはいけません。どの場合でも、AllowDeny 文は 全て評価されるということに注意してください。

以下の例では、apache.org ドメインのすべてのホストはアクセスを許可されます。 他のすべてのホストはアクセスを拒否されます。

Order Deny,Allow
Deny from all
Allow from apache.org

次の例では、foo.apache.org サブドメインにあるホスト以外の、 apache.org ドメインのすべてのホストがアクセスを許可されます。 apache.org ドメインでないホストは、デフォルトの状態がアクセス拒否のため、 サーバへのアクセスを拒否されます。

Order Allow,Deny
Allow from apache.org
Deny from foo.apache.org

一方、上の例の OrderDeny,Allow に変わっていれば、すべのホストにアクセスが許可されます。 これは、設定ファイル中の実際の順番に関わらず、 Allow from apache.org が最後に評価されて、 Deny from foo.apache.org を上書きするからです。 apache.org ドメインにないホストも、デフォルトの状態が allow に変化するために、アクセスを許可されます。

Order ディレクティブはデフォルトのアクセスの状態に影響を与えるので、 Allow ディレクティブと Deny ディレクティブが無くても、サーバのアクセスに影響を与えることができます。 たとえば、

<Directory /www>
  Order Allow,Deny
</Directory>

はデフォルトのアクセス状態が deny になるため、 /www ディレクトリへのすべてのアクセスを拒否します。

Order ディレクティブはサーバの設定処理の各段階でだけ アクセスディレクティブの処理の順番を変更します。これは、たとえば、 Order ディレクティブの設定に関わらず、 <Location> セクションの Allow ディレクティブや Deny ディレクティブは、 Directory セクションや .htaccess ファイルの Allow ディレクティブや Deny ディレクティブよりも常に後に評価されるということを意味します。 設定セクションのマージの詳細については、 Directory,Location, Files セクションの動作方法 を参照してください。